【レース回顧】日本ダービー 1着ロジャーバローズ
3強対決に注目の集まった今年の日本ダービーですが、勝ったのはまさかまさかの単勝12番人気のロジャーバローズでした。
スタートは好スタート気味に出たロジャーバローズで、出たなりで前につけれたのが、まず大きいポイントでしたね。
1枠1番という事もあり、脚質的にもそのまま前へ。ポジション争いでは、東京競馬場では止まらなくなっているインの前を奪います。
逃げ宣言をしていたリオンリオンが、1コーナー手前で単騎逃げを開始しましたね。(赤ロジャーバローズ、青リオンリオン)
ロジャーバローズは1コーナーの時にかなり行きたそうな雰囲気が出ていて、かかりかけていたので早々に前に馬を置けた事も、今回の勝因の1つです。
リオンリオンが1000m57.8秒のハイペースの逃げ、そして10馬身ぐらい後ろにロジャーバローズ、その5馬身後ろに先行集団と言った隊列でした。
そして最後の直線で早々にリオンリオンを捉えて、そこからは何と浜中騎手の超ロングスパートが、この時点から始まります。
この大胆な騎乗が勝利をもぎ取った1番の理由だと思っていまして、こんな競馬は負けて当然の勝つか負けるかの、人気薄ならではの大博打の騎乗です。
普通は残り300mで手応えが怪しくなって、残り200mで失速して2桁着順。でも今の東京競馬場の馬場が普通じゃなかった。
この恩恵もかなり大きいです。今の東京重賞は、ヴィクトリアマイルが1600mワールドレコード、京王杯もレコード、先週はオークスレコード、そしてダービーレコード、目黒記念もレコードと、超高速馬場となっています。
とにかく前が止まらなくて、時計も出る状態、2番手のロジャーバローズには絶好のチャンスでしたね。
ダノンキングリーとの叩き合いに関しては、最後1/4馬身差まで詰め寄られましたが、脚を溜められていた点や、ダノンキングリー が弾き切れなかった点もあって、最後の最後まで脚性を維持出来ていました。
そして最後は、ロングスパート大成功のクビ差残しで、大きい大きいダービーの栄冠をもぎ取りました。
ダノンキングリーに関しては仕掛けを待ち、後続が追い込んで来るのを待っていたので、そこが噛み合わなかった点でもあり、ロジャーバローズに取っては勝ち筋でもありました。ここも勝負の分かれ目でしたね。
ダービーにも格言があって、運があった要素もあるんですが、浜中騎手の人気薄ならではの大胆な騎乗と、それに答えたロジャーバローズの強さもあってこそだと思います。
振り返ると、運のあった要素も多いんですけどね。
- 1枠1番と言う実績もある枠
- 前残りのスピード馬場
- リオンリオンのペースメーカー
- サートゥルナーリアの出遅れで、ヴェロックスとダノンキングリー のプランが崩れる
言い出すとキリがないのですが、このクビ差には100個ぐらい勝負の綾が噛み合っての、1着だと思います。
そしてこれがスポーツだなと思いました。
3強のような強力な相手に立ち向かうには、ロジャーバローズのような伏兵には、都合の良い展開や状況が必要です。
沢山の追い風があって、しかもこれが日本ダービーでモノにすると言う、これは特に記憶に残るダービーになりそうです。
このダービーでは、そう言ったスポーツや勝負事の面白さや難しさを、改めて知ったレースでした。
ロジャーバローズは今後ダービー馬として活躍をして欲しいですし、浜中騎手も勝ち鞍が減ってしまっているので、ダービージョッキーとしてこれからに繋がる事を願っています。